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アシュタンガ・ヴィンヤサヨガ:哲学、練習、経験

Posted on 2018/06/08 Under 記事
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アシュタンガヨガには様々な側面があります。ひとつは哲学的な側面。「アシュタ」は「8」、「アンガ」は「四肢」を意味します。日々の生活の中でこれをどう応用するか、という一体となった哲学的理解があるのです。肉体的な次元では、アーサナシークエンスがとても厳密な方法で行われており、このシークエンスが「組み合わせのロック」として説明されています。安全な方法で、この「組み合わせ」を特定の方法で回すと、扉が開くのです。なのでアシュタンガでは、これらの異なるシークエンスを系統的にアレンジすることによって、特定の方法で体を開かせるのです。

呼吸

動きを特定の呼吸、「ウジャイ呼吸」というものと組み合わせていきます。ウジャイ呼吸とは音の呼吸です。この呼吸がなければ、単なる体操のようなものになります。別に体操には何も悪いことはないのですが、この特定の呼吸という要素を組み込んでいくことによって、全てがヨガの練習になるのです。

アシュタンガにおいて呼吸で音を作る理由は、マントラのようになるからです。集中する点。マインドがどこかにさまよい始めたら、そこに戻って来ればよいのです。自分の呼吸がこのように聞こえるようであれば、どういったことが分かりますか。頑張りすぎている、ということです。ないしは、ポーズに深く入りすぎた時、呼吸が制限されて、呼吸をすることが出来なくなったり。マインドが何処かにさまよってしまったら、同じように、呼吸の音というものが消えてなくなります。よって、この呼吸に耳を傾け、自分の呼吸の音のマントラをチャンティングすることで、この体験を深め、集中する事が可能となるのです。

集中

もう1つは、ドリスティのポイントがあるということです。ドリスティは見つめる点です。私たち人間は、視覚的、聴覚的なものに妨げられます。なので、ロウソクの炎や鼻を見つめるようにと、どんな瞑想でも言われるように、アシュタンガでは特定の目線を定める点があるのです。

ロック

アシュタンガにはバンダもあります。背骨はエネルギーの木のようなものです。西洋の医学的用語を見ても、神経が背骨から出てくる時は、「神経の枝分かれ」と言われたりします。なので、この体の中の電気エネルギー、木のイメージがあるのです。ヨギー達はこれを何千年も前から捉え、体の中にあるエネルギーの動きをどう制御しコントロールするかを解明したかったのです。結果として、これらのテクニックが、これらのエネルギー領域を活性化させ、エネルギーを動かすよう刺激し、それが元に戻ってしまう事を妨げる、という考え方に至ったのです。

心地よさ

アーサナの定義で私が好きなのは、「心地よく保てるポーズ」です。自分が好きじゃないアーサナのことについて考えると、これは正反対のような考えだと思うかもしれませんが、どうすれば「心地よく保てるポーズ」の概念を達成できるのでしょう?私のお勧めは、「100%をしない」ということです。自分のアーサナのキャパを85%か90%にとどめ、呼吸や他の要素に集中することで、常に100%推し進めるよりも、練習をより深くより先へと進めることができるのです。

相反する力

これらが主な要素であり、私はこれを「アシュタンガの五要素」と呼びます。「アーサナ」「バンダ」「ドリスティ」「ウジャイ呼吸」そしてヴィンヤサフロー。動きと呼吸を組み合わせる時、それはヴィンヤサとなるのです。例えば、腕を頭の上に持ち上げるという最初の動き、これが最初のヴィンヤサです。呼吸と動きが極めて的確な方法で合わされるのです。

私たちの身の回りの世界を見ると、「相反する力」によって構成されています。全てに相反する対があるのです。「前/後ろ」「上/下」「右/左」「昼/夜」「男性/女性」「生/死」「吸う/吐き出す」。全てに相手が存在するのです。なので、ヴィンヤサというのは、2つの相反する力を1つに織り込んでいくのです。

深い意味

「ヨガ」という言葉はどういう意味を持つのでしょう?「融合」です。「ハタヨガ」という言葉は、どのような意味を持つのでしょう?「太陽と月の融合」です。太陽と月は相反するものなのです。なので、そういった観点からは、「ヨガ」というものを、「相反する行為や力というものの融合」として捉える事が出来るのです。それがアシュタンガヨガなのです。より簡潔な答えを欲しているのであれば、「自分で試して見つけなさい」と私は言うでしょう。

本年度もデヴィッドの再来日をとおし、ワークショップを2018年6月16-17日に開催できることは大変光栄です。

デヴィッドの教育素材:

Ashtanga Vinyasa First series Practice DVD

Ashtanga Yoga: The Practice Manual by David Swenson (2007-08-20)

YOGA SHORT FORMS The Practice Ashtanga Yoga David Swenson

Videos: courtesy of Namaste TV .


About the Author

デヴィッド・スウェンソン

Ashtanga Yoga指導者 / AYP創立者

    デイビッド・スウェンソンは1969年13歳のときにヨガを始めました。 兄、ダグ・スウェンソンが彼の最初の先生で、二人は手当た...