科学者とアーティスト

Posted on 2月 19, 2018 Under 記事
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練習について自分に問いかける最初の質問は明らかかもしれません。「練習は私を向上させてくれるのか?」これは良い問いかけではありますが、より大切なのは、「何のために向上するのか?」、そして、「なぜ向上するのか?」、ではないかと。

私にとって、練習の本当の目的は、科学者とアーティストという、二つの相反するマインドセットを育てることにあるのです。

科学者は、知識を欲しがり、経験的証拠を探し求めるものです。混乱をなくし、明確にすることを目的とする過程に常にいるのです。

このマインドセットでは、新しい訓練を開発し、利用している手法を改良し、過程を短縮させ、より良い結果をもたらす手掛かりを探すのです。データを集め、調査するのです。疑い深く、具体的で論理的な説明を探すのです。

その一方でアーティストは、まったく別のanimal(動物)なのです。論理が消滅しマジックが出現する抽象化の中で活躍するのです。豊かな経験、新しい表現、本物の関係を追求するのです。ここにて私は、他者と目的もなく動き続けること、即興すること、瞬時的現在への好奇心をみつけるのです。このような質感をとおし、フローに入ることができるのです。

アーティスト不在の科学者は不完全なのです。料理をするとき、食事の栄養価のみを考え、味を無視するかのように。このような働きかけは自分を硬くし、感じることから孤立させるのです。

アーティストが放っておかれると、幻覚に閉じ込められ、現実から切断され、これもまた進化にはならないのです。両者は互いに対立しあいながらも補いあい、人類の発達には重要な側面なのです。

そしてこれこそが、自分の練習に対して問いかけるべき根底にある問いかけなのです。練習をとおし、どのマインドセットを培っているのか。

 


About the Author

マタン・レヴコヴィッチ

Movement Lab創作者 / ダンサー / 講師

マタン・レヴコヴィッチは自身のコレオグラフィーを具現化する道具として、Animal Instinct(動物的直感)練習とMovement Labを創作しました。