「猫のポーズ」について、(現時点で)知られている最も初期の記述は、18世紀のヨガ文献 Haṭhābhyāsapaddhatiに記述されているMarjarottanasana(上向きの猫のポーズ)と言われています。ここに見られるイメージは、19世紀にマイソール宮殿の王室によって書かれた要約本Śrītattvanidhiに芸術的な描写として描かれているものです。
現代ヨガポーズの中で一般的に行われている「猫のポーズ」のバージョン(膝を着いた状態で背骨を屈曲させる)とは異なり、この特定のアーサナは仰向けで練習され、膝を耳に近づける動きをするために腹部にかなりの筋肉運動を必要とします。繰り返し練習することによって、腹斜筋を強化するポーズとなります。
Mārjārottānāsana
[自分自身を]上向きの犬のような姿勢に置き、[ヨガ練習者は]両膝を使って両耳に次々と触れるようにする。[これが]上向きの猫[のポーズ]です。
ジェイソン・バーチ訳 (2015)
このアーサナの説明は、Śvottānāsana – ‘Upturned Dog Pose’(上向きの犬のポーズ)の説明のすぐ後に続きます。一つのアーサナを次のアーサナに繋げているということで、Haṭhābhyāsapaddhatiは、初期のHaṭhayogaの文献で説明されてきた静的な座位のポーズだけではなく、反復的な動きを伴うアーサナやシークエンスの練習を提供する、近代以前のヨガ文献として現在知られている唯一の文献です。
YogaJayaで開催されるワークショップでは、ジャクリーン・ハーグリーヴス と ジェイソン・バーチ が、Haṭhābhyāsapaddhatiの文献がマイソール宮殿におけるヨガの伝統にもたらした貢献と、世界でもっとも人気を持つ近代ヨガAṣṭāṅga Vinyāsa Yogaの創始者Krishnamacharyaに及ぼしたであろう影響について、その歴史的意義について話し合います。