
堀江里子の動きを通して表現とクリエイティビティを模索するコース
身体が生き生きと健康である間は、私たちは身体があることすら忘れてしまいがちです。それでいてなお、身体の状態は私たちの物理的な存在を定め、私たちの在り方を左右するのです。私たちはまず身体をとおして他者を認識し、身体をとおして自我や個性を確立していくのです。そして学びと成長の過程をとおし、特定の感情(すなわち身体)と深く結びついている行動パターンや反応傾向を育んでいくのです。こうすることで、私たちは無意識にも観察と順応をとおして「私」という認識を常に強化しているのです。このコースでは、ボディムーブメントを介して自己認識を高めていくことを目指すと同時に、内なるクリエイティビティを刺激する動きや表現をとおして自ら表現する方法をみいだしていきます。
このコースはインタラクティブ(対話式)なもので、ヨガ、自己探求、ボディムーブメント、表現アートの手法を組み合わせていきます。参加者は自身を抑制している要素を取り除き、直感的に感じ認識することができるよう、深く内観するよう促されます。どのセッションも、シンプルなヨガポーズ、ボディムーブメント、自由な表現、表現アートの組み合わせとなり、それらの体験について自由に語り合う場が提供されます。
ヨガ、瞑想、ダンス、アートの経験は必要なく、どなたでも参加いただけます。すべての参加者は、自由に動くことができる服装、A4サイズ以上のスケッチブックとクレヨン(色が沢山あるほど楽しめます)の持参が必須となります。
コースカリキュラム
1週目:立って、歩いて、動きながら空間を体験する
最もシンプルで、最も頻繁に日々繰り返している動きでありながらも、ほぼ無意識で行っているのが、立ち、歩くということ。このセッションでは、立ち、バランスをとるための基盤となる要素をみていきます。そこから、静止状態で立つという行為に、歩く、スキップする、走る、などといった動きを組み合わせていくことで、空間にどのように移動するかを模索していきます。
ポイント:立ちポーズとクリエイティブ表現
2週目:姿勢と感情を明らかにする
我々の感情状態は、姿勢や自らを肉体的に維持する方法によって左右されます。と同時に、意識的な姿勢の操作を介して我々は自身の感情状態に影響を与えることもできるのです。このセッションでは、姿勢がどれほど背骨の動きと密接に関わっているかをみていきます。そのうえで、背骨のアライメントと動きを使ってどのように精神感情状態を影響しうるかについて模索していきます。
ポイント:背骨の動きとクリエイティブ表現
3週目:身体の部位から表現する
腕、足、肩、胸、腰、頭はすべて表現において役割を担っています。このセッションでは、上半身から広がっている身体の部位を模索していきます。それぞれの部位はそれに関連する特定の機能、状態、感覚、感情、イメージを持っているものです。個々の部位を分断して認識することで、身体全体をよりよく理解しようと試みます。
ポイント:肩を開くポーズ、腕のバリエーション、クリエイティブ表現
4週目:内なる抑制や感情を解放する
腰は特に感情と深く繋がっている部分です。このセッションでは腰のみに焦点をあてていきます。腰の動きを模索し、そこに蓄積され詰め込まれている感情をどう解放していくかについて。ヒップオープナーから始め、ヒップダンス、自由な腰表現を通し、私たちの奥深くに秘められている感情や感覚を掘り起こしていきます。
ポイント:ヒップオープナーとクリエイティブ表現
5週目:自分の真実、自分の味方を探しだす
意識とは肉体的に自身を感じることを通してだけでなく、自身の性格の中身を深く内観することによって育まれていくものです。このセッションでは潜在意識への気づきを高める様々なテクニックを利用していきます。この過程をとおして、自己認識の旅路の支えとなる、自分にとっての深い真実、秘められた強さ、内なる味方に耳を傾けていきます。
ポイント:瞑想、ビジュアリゼーション、クリエイティブ表現
6週目:触れあい、身体を合わせることで感じあう
日常的にコミュニケーションをとり交流しつつも、私たちは物理的な人と人との接触を失いがちです。このセッションでは、人と触れ合うという行為が最初は少し気後れしてしまいがちなものでありつつも、とてつもなく思いやりと落ち着きがあり、本能的な渇きを潤してくれるものであることに気づきをもたらします。自然がどのようにモノへと接し、繋がり、合わせあうかを観察することで、触れあいの様々な次元を模索していきます。
ポイント:静的パートナーヨガとクリエイティブ表現
7週目:姿勢と動きをとおして繋がりあう
感覚を研ぎすますという過程は自身の状態や自我に対する意識度を高めるだけでなく、同様に他者に対する認識、そして人とどう自身が接しているかということに対する意識度をも高めてくれるのです。このセッションでは、姿勢や動きをとおして人とどのように繋がり、交流し、コミュニケーションをとり、他者の感情を感じ取り理解するかを学んでいきます。他者の状態を把握する手法を模索することで、自身の状態だけでなく、交流をとおして相手の状態をどう調整できるかをみていきます。
ポイント:動的パートナーヨガとクリエイティブ表現
8週目:自由な表現をとおして動きを模索する
この最終セッションでは、いままでの経験を融合させることで、自己表現していきます。何かを継続的に行うという行為は、穏やかな自信をもたらしてくれるものです。そしてその結果生まれる自己表現は、内側から直感的に自発的に放出されるものとなるのです。「私」の一部として。これまでグループ全体として体験してきた刺激がどのように表現につながり、自分自身の中に秘められていたクリエイティビティを開花するのにつながってきたかを明らかにしていきます。
ポイント:自由な動きとクリエイティブ表現